冊子(手引書等)をつくるときの制作の段取り

マニュアル、手引書、事例集など、さまざまな業種で業務内容をまとめた冊子や手引書は大切です。
仕事の理解を深めたり、新人さんの最初の一歩のために目を通してもらうものだったり。

ただ、それをつくるとなると、「どうやってつくればいいのか」悩んでしまうと思います。
先日、わたしも手引書の制作で悩んでおられる、とある協議会様のお手伝いをしましたので、こちらに記しておきたいと思います。

1.何を伝えるのが目的の冊子か明確に文章にする
何度も打ち合わせを重ねると、当初の目的は忘れがちです。
この冊子、手引書で伝えたいことや、最終の目的などは明確に文章として残しておきます。
プリントして共有し、それを毎回打ち合わせの最初に見直して、何が目的だったか忘れないようにします。

2.スケジュールを考える
◯いつ必要になるか(配りたい日、この日にあったほうがいいよね、という日を決める)
◯そのためにはいつごろ印刷に出さねばならないか→業者に確認

まずお尻を決めます。
それに向かって、では今どうしたらいいかと考えていくとすごくスムーズに計画が立てられます。
業者さんによっては印刷にかなり時間がかかるところもあるので、問い合わせて逆算します。

3.目次をつくる
何を載せるべきか、目次を組み立てながら内容を決めていきます。
目次は他の団体がつくっている冊子等を参考にするといいです。

4.「はじめに」のページの原稿をつくる
どんな冊子でも前置きのページがあります。
この冊子は誰に何をわかってもらいたいからつくったのか、という部分をまとめたページです。
これも項目1と同じですが、何のためにこの冊子をつくるかブレをなくすために、このページからつくっていきます。

5.目次に沿って、執筆担当者と締切を決める
誰がどのページを書くか決めていきますが、締切もしっかり決めます。
だいたい印刷に出す日から逆算して、2〜3ヶ月くらい前に、まず1回目の締切を設定しておいたほうがいいです。
そして執筆担当者に依頼する前に、6と7の項目を決めましょう。

6.各ページの見出しや項目、ボリュームなどある程度テンプレートを決める
それぞれがバラバラに書き出すと、あとで取りまとめるのが大変です。
タイトルを書いて、章の中のINDEXを書いて、最後にまとめを書く、くらいでいいのですが、ある程度のテンプレートをつくって、そのベースファイルを執筆者にわたすと形式がバラバラせず、最後が楽になります。

7.言葉の表記ルールを決める
福祉分野であったら、例えば「利用者」とするのか「ご本人」とするのか「利用者さん」「ご利用者」「ご利用者様」などさまざまな言い方があると思います。執筆者が多いと、これがバラバラに。

最初に本人は「ご利用者」、その家族は「ご家族」と表記する、などのルールを決めます。
医療関係でも、病気の名前をどう書くか決めておくといいですね。

そのほかにも「時」「事」などがありますが、例えば「そのとき」なのか「その時」なのか、「あったこと」なのか「あった事」なのか、どこまでひらがなか漢字か決めておくと最後が楽です。

8.執筆者に締切と表記ルールを伝え、テンプレを渡して執筆スタート
締切を守ってもらうためには、あまり先に締切を設定しないことです。
1ヶ月先だと「まだまだある」と思われてしまうので、それ以内がベストです。分量に寄りますが3週間位でしょうか…。

9.回収したら校正(朱入れ)
ここから”編集”作業です。
原稿を取りまとめる人が、内容に問題がないか(事実と違っていないか?読んだ誰かが傷つくようなことはないか?)、誤字脱字がないか、表記ルールに沿っているか、もっと読みやすい書き方はないかなど考えて確認し、ファイルに朱(修正)を入れていきます。

◯表記に迷ったら
漢字がいいのか、ひらがながいいのか…。
迷ったら、新聞記者なら全員が使っている標準の表記ルールが載った本があります。


記者ハンドブック

これには、名詞や副詞やさまざまな言葉の原則ルールが書かれています。

■段々と→だんだんと
■又→また
■松葉杖→松葉づえ

など、一般に人が読みやすくわかりやすいように表記をするにはどう書くのがいいかという指針を出してくれています。
テレビや雑誌、新聞などの業界ではこちらのルールに原則的に則っています。
悩んだら、1冊買っておきましょう。
こちらに合わせておくと「記者ハンドブックに合わせて直しました」と執筆者に修正理由を言いやすいというメリットもあります。

この校正作業はプロに頼むのもいいかと思います。こういったことに対応するライターさんがいます。
(→手前味噌ですが、弊社Cropでもこのような校正作業はジャンル問わず、お手伝いをしています)

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原稿が修正できたら、原稿と挿入するイラストや図をまとめたものを、印刷業者に投げます。
デザインが必要であれば業者や制作会社と相談します。

印刷、デザインが入る前に、文章を直すこと、プロのライターを入れるならこの段階で入れると早くてスムーズです。

これまでに何度もデザインが出来上がった後に校正を頼まれましたが、そうなるとデザイナーさん(印刷会社さん)がまた修正を反映させるという作業が発生して、非常に時間がかかりますし、全員が面倒で大変です。
場合によってはデザインやり直しということもあって費用と時間がかさみます。

なかなか冊子や手引書はつくることがないかもしれませんが、手順を守ればそれほど難しくありません。
文章がまとまった冊子がひとつあれば、それを読む人の知識の源となり、役立つものになります。

ぜひ皆さんに作ってほしいのです。冊子って素晴らしいです。
段取りを間違うと非常に面倒な作業が増えるので、このようなことを書いてみました。参考になれば幸いです。

印刷だけなら、PDFでも入稿できるプリントパックなどネット印刷もありますから安く制作できます。
→それぞれのページを必要枚数印刷して、ホッチキスで止めれば冊子になりますよ!
→表紙だけツルッとした紙(コート紙)の厚めで印刷すれば、それっぽく!

この記事を書いた人

Crop万谷

Crop万谷

株式会社Crop代表取締役/ライターの万谷絵美です。広報や集客に役立つ記事をコツコツ書いていきます。広報企画からツール制作まで、案件は一括してディレクションしています。